傷跡・火傷・ケロイド

傷跡(健康保険適応)

  • 事故などによる傷跡が気になる
  • 手術の傷跡が気になる
  • 引きつれがあり、ときどきつっぱる感覚がある
  • 変形・でこぼこが残っている

このような悩みに対して、「よりきれいで自然」にするための手術をご用意しております。
一人ひとりの患者さまに対し、気になる部分の範囲、形状を考慮し、最適な手術法を考えていきます。

適応例:幼少期の火傷・傷跡、帝王切開などの手術による傷跡、骨折治療後の手術の傷跡など

患者さま一人ひとりの体をデザインする

形成外科の手術においては、機能性の回復はもちろんですが、「見た目のよさの回復」も大切な要素のひとつです。どこにメスを入れ、どこの皮膚を、どう植皮し、どう縫合するのか、という手術前の「デザイン」を当院では重要視しております。
重要視する、というのは簡単ですが、実際に患者さまに合ったデザインをするのは簡単なことではありません。何より年数と回数をかけた経験がものをいいますし、ふたつとして同じ傷跡はありませんから、今までの経験をどう応用するか、という点が常に問われる手術です。

私は勤務医から開業医を経た15年間で、数千件の手術を行ってきました

一人ひとりの患者さまに対して、慎重にデザインし、丁寧に手術を行い、また手術後の経過観察をきっちりと行ってきたことが、その次の手術に生きてきます。
「もうこれ以上きれいにならないと言われたから…」「何年も前の傷だから…」とあきらめる必要はありません。まずは一度、診察を受けに来てください。

火傷(健康保険適応)

全身の2割以上の火傷は命にかかわりますので、早急に救急病院への搬送が必要ですが、範囲の狭い火傷を、「早く」「きれいに」治したい場合は、当院で責任を持って治療を努めさせて頂きます。
傷を受けてから2週間の治療の質の良し悪しは、その後の経過を大きく左右します。早期に治療を始めることで、植皮、引きつれを避けられることもあります。
当院では、最新の創傷治癒促進剤、創傷被覆材を用意し、「早く」「きれいに」「痛くない」治療に努めております。
火傷だけでなく、けがをしたら可能な限り早く適切な処置を施すことが、機能性の回復の面においても、見た目のよさの回復の面においても大切です。

ケロイド

【真性ケロイド】(健康保険適応)

真性ケロイドの仕組みについて説明する際、私はよく「火山のマグマ」を例にします。
体の中にマグマのようなものがあって、小さな傷や穴(ニキビ、注射の痕、虫刺され、ピアス穴)から噴火が始まり、溶岩が流れるように赤く盛り上がり、拡がる。
こういった体質を持っていることを「ケロイド体質」と呼び、「ケロイド体質」の人のケロイドを「真性ケロイド」と呼びます。

痛み、痒みは相当なものですが、ひとり悩んで我慢されている方も少なくありません。
やっと勇気を出して受診しても、「治らない」と宣告され、絶望的な気持ちになって当院の「ケロイド110番相談窓口」 にたどりついた方を何人も見てきました。

真性ケロイドの場合は、手術後の放射線治療が欠かせません。

「マグマ」を持つ体質なので、手術によるケロイド切除だけではほぼ間違いなく再発します。
再発を抑えるためには、つまり真性ケロイドを「治そう」となると、放射線治療は必要不可欠ですが、その効果は強力で、しかも一生涯続きます(活火山を休火山にする)。
さらに、より確かに再発を抑制するため、当院ではテープやコルセット装着による術後固定治療も並行して行います。赤みが速やかに減退し、治療がより確かなものとなります。
『手術+放射線治療+術後固定』
真性ケロイドの治療においては、この3つが適切に行えたとき、最良の結果を得られるのです。

ただし、真性ケロイドの場合、術後すぐに完治、というわけにはいきません。休火山とはいえ、マグマを取り除けたわけではないからです。術後も部分的なかゆみが断続的に見られるのが現実です。
定期的な通院で治療を続けながら、ほぼ安心できる状態になるまでは、どうしても通常3~5年の期間を要します。

【肥厚性瘢痕(瘢痕ケロイド)】(健康保険適応)

肥厚性瘢痕(瘢痕ケロイド)の場合は、基本的に放射線治療は不要です。
マグマを持っている体質(ケロイド体質)ではないからです。
しかし、手術後の固定は欠かせません。固定期間は、通常術後3カ月間となります。

術後、傷が赤いうちは皮膚の動きによって形状が変化する期間でもあります。この期間に患部を固定することは、手術直後の形状を保つための大切な治療です。結果の大部分を左右するといえます。
帝王切開の傷跡、顔の傷などには、接着スプリントというスポンジやシートを直接貼り付けることで引きつれを防ぎます。

ケロイド症例

症例1 放射線療法+リザベン

症例1 放射線療法+リザベン

例症 69歳、女性
既往歴 直腸癌、肺腫瘍(腺癌)、脳腫瘍(大脳鎌髄膜腫)
治療経過

前胸部から心窩部に瘢痕ケロイドと拘縮、自発痛、圧痛を認め、背屈すると激痛が走る。拘縮が強い瘢痕ケロイドを切除。術後8日目よりデルモパン(※1)を開始し、11日目よりリザベン300mg/日を74日間投与した。術後4ヵ月で創痕の赤みは落ち着き、術後1年、手術痕はほとんど目立たない。

(※1)デルモパンとは、昔の放射線治療のことです。

香川県立中央病院形成外科柏尚裕ほか
:Aesthetic Dermatology,7(3),97.1997

症例2

症例2

例症 40代、女性
治療経過 帝王切開後のケロイド。術後1ヶ月から痛みや痒みが生じ、次第に盛り上がり引きつれ感も伴うようになった。 手術と電子線20Gy施行。術直後より約3ヶ月間フィクストンによる圧迫・固定療法を併用。部分的な再発に対しステロイドのケロイド内注射も数回施行した。2年経過現在、再発は認められず滑らかな状態で落ち着いている。

香川県立中央病院形成外科柏尚裕ほか
:Aesthetic Dermatology,7(3),97.1997

075-229-6388